携帯用白杖の折り畳み部で発生するガタつきについての説明

① 携帯用白杖は、10cm長さのインナーパイプが、アウターパイプの内部にインナーパイプが5cm差し込まれ強く接着されて、残りの5cmの部分が隣接するアウターパイプに差し込まれて、これらパイプの中をゴム紐が通って、隣接のパイプがつながって、例えば5段の白杖が組み立てられます。

② インナーパイプの外径は、アウターパイプの内径より0.05mm小さくしております。インナーパイプとアウターパイプの隙間を強く接着剤により固着させる一方、隣接のアウターパイプに差し込むインナーパイプは、容易に差し込める事が必要ですが、そのまま差し込んだ状態では、0.05mmの隙間があり、差し込まれたインナーパイプがアウターパイプの中で、ガタつきが発生します。生産のばらつきにより、隙間が大きい場合もあり、そのときには更にガタつきが大きくなります。

③ そこで、当社ではその隙間を出来るだけ少なくするように、差し込まれるインナーパイプの外側にウレタン等の樹脂を塗布して、隙間を出来るだけ狭くしています。

④ 当社のように繊維補強材を使用しているFRP製は、エポキシ樹脂で繊維を固めてパイプ状にしています。アウターパイプの内面のエポキシ樹脂は、インナーパイプの出し入れ等により、削れてきます。その結果として、長年使用していると、アウターパイプの内面が削れてきて、隙間が大きくなり、ガタつきがひどくなります。

⑤ 今回の開発技術

  ゴム紐にてアウターパイプが一直線になって伸ばした時に、隣接するアウターパイプをつなぐのは、ジョイントカバーに役割をもたせます。ジョイントカバーの一端は接着剤によりアウターパイプに固着させ、他の一端は平滑性のある接着テープを貼り付けたアウターパイプにて填め込んで固着させる方式です。差し込める程度に当該接着テープの厚みにしていきますが、ギリギリの厚みになると抜き差しが困難になるので、適度な厚みにします。(意匠登録出願済み)

 なお、従来使用していたキャップの使用をやめて、ジョイントカバーに変更しています。